車を4月に売却すると自動車税や軽自動車税はどのような扱いになるか気になる方も多いでしょう。
この記事では、車を4月に売却した際の自動車税と軽自動車税の取り扱いについて詳しく解説します。
また、損をしない売却ポイントや税金に関する注意点も解説しているので、車を売却予定の方は、ぜひ参考にしてください。
4月に車を売却すると自動車税はどうなる?
4月に車を売却すると自動車税はどうなるのでしょうか。
ここでは、車を4月に売却する際に知っておくべき基本情報を解説します。
4/1時点の名義人が支払う義務がある
大前提として自動車税は、4月1日時点で車を所有している方がその年の税金を納めることが原則です。
たとえば、4月2日に車を売却した場合でも、4月1日時点で所有していれば、その年の1年分の自動車税を納付する必要があります。
納付書は都道府県税事務所から自宅に送付され、記載された1年分の税額を支払います。
基本的なことですが、このルールを理解しておくことで、税金に関する混乱を避けることができるでしょう。
時期によって返金される
自動車税は、車の抹消登録をした場合に限り返金されますが、名義変更のみで車を売却した場合はありません。
後ほど解説しますが、多くの買取業者は、残りの自動車税分の金額を買取価格に上乗せして支払います。
還付金の計算式は、年間の自動車税額を12で割り、残り月数を乗じることで算出されます。
後ほど詳しく解説しますが、排気量2,000ccの乗用車の年間自動車税が3万6,000円の場合、1ヶ月分は3,000円です。9月に名義変更が完了した場合、10月から翌年3月までの6ヶ月分が残り期間となります。
この場合、1ヶ月分の税額3,000円に残り月数6ヶ月を乗じると、1万8,000円が買取価格に上乗せされる目安となります。
この計算を理解しておくと、車を売却する際の手続きがスムーズになりやすいです。
自動車重量税は返金されない
基本的に自動車重量税は、一時抹消登録の場合には返金されません。
しかし、永久抹消登録を行った際にのみ月割りで返金されます。
自動車重量税は、主に車の購入時や車検時に支払われるため、具体的な金額については詳しく知らない方も多いでしょう。
重量税の金額は車両の重量に応じて異なりますので、事前に車両重量と税額をチェックしておくと良いです。
軽自動車税も返金されない
軽自動車税には、普通車のような還付制度が設けられていないため、売却する際のタイミングが非常に重要です。
たとえば、6月に軽自動車を売却した場合、普通車ならば9か月分の税金が還付されますが、軽自動車の場合はその分を支払うことになります。
節税を考えるならば、軽自動車の売却は年度末の3月までに行うと良いでしょう。
3月を過ぎて4月に手続きがずれ込むと、新たな年度分の軽自動車税が課税されるリスクがあるため、早めに行動して売却するのが安心です。
リサイクル預託金は返金される
リサイクル預託金は、自動車リサイクル法に基づいて新車購入時に支払う金額です。
リサイクル預託金は、車の売却時に返還されるシステムとなっています。
そのため、車を売る際にはリサイクル券の提出が必須となっており、適切に保管しておくことが大切です。
また、リサイクル預託金相当の金額は買取価格に反映されるか、または別途支払われます。業者によって異なるため、事前に確認することが重要です。
自動車税の返金方法
自動車税の返金方法には、以下の2つの方法があります。
- ・買取業者が支払う
・買取価格に上乗せして支払う
それぞれ詳しく解説します。
買取業者が支払う
車を売却する際、買取業者が代わりに自動車税を納付することがあります。
この場合、売主は自動車税を自分で支払う必要がありません。
車の買取価格は、車両本体価格のため自動車税の還付分が後から差し引かれる心配がなくなります。
また、自動車税を自分で支払う手間も省くことも可能です。
ただし、この方法を採用しているかは買取業者によって異なるため、売却前に必ず確認しましょう。
買取価格に上乗せして支払う
買取価格に上乗せして支払う方法では、自動車税を売主自身が納付し、翌年3月までの税金を買取価格に上乗せして売却します。
ただし、支払われる買取額から税額分を引いた金額が、実質的な買取価格となります。
そのため、税金が実際に戻ってきたという感覚は得にくいかもしれません。
納付書の取り扱いや税金の計算方法に注意し、買取業者との取引で明確に合意することが重要です。
還付される自動車税の計算方法
排気量 | 自動車税の金額 |
1,000cc以下 | 25,000円 |
1,000cc超1,500cc以下 | 30,500円 |
1,500cc超2,000cc以下 | 36,000円 |
2,000cc超2,500cc以下 | 43,500円 |
2,500cc超3,000cc以下 | 50,000円 |
3,000cc超3,500cc以下 | 57,000円 |
3,500cc超4,000cc以下 | 65,500円 |
4,000cc超4,500cc以下 | 75,500円 |
4,500cc超6,000cc以下 | 87,000円 |
6,000cc超 | 110,000円 |
※軽自動車税は、一律10,800円です。
自動車税は、排気量によって異なり、還付を受けるには、対象年度の税金を事前に納付しておくことが必須です。
また、未納の状態では還付を受けることができません。
還付額の計算は、車両の抹消登録が完了した翌月から翌年3月までの期間の税金に基づいて行われ、日割りではなく月割りで算出されます。
具体的な計算式は「(年税額×残存月数)÷12」となり、算出された還付金額からは100円未満の端数が切り捨てられます。
たとえば、1,000cc超1,500cc以下の排気量の車は年間自動車税が30,500円で、6月に名義変更が完了した場合、残存月数は9ヶ月となります。
これを計算すると「(30,500円×9ヶ月)÷12ヶ月=22,875円」となり、100円未満の端数が切り捨てられ22,800円が還付されます。
軽自動車税には還付制度がない点に注意が必要です。
還付金の計算方法については以下の記事も解説しているため、併せてチェックしてみてください。
4月に車を売却する際の税金の注意点
4月に車を売却する際は、税金に関する注意点があります。
適切な対応をすることで、税金に関するトラブルを避け、スムーズな売却を実現できます。
4/1までに売却するのがおすすめ
大前提として、自動車税は4月1日時点での所有者に対して課税されます。
そのため、新しい年度の自動車税の負担を避けるためには、4月1日前に車を売却することが望ましいです。
3月末までに売却手続きを完了させることで、次の年度の税金を支払う義務から免れることができ、経済的な負担を軽減できます。
売却を考えている場合は3月末までの売却を目指しましょう。
納付書が届いたら必ず確認する
納付書が届いたら必ず確認しましょう。
納付書を放置すると未納となり、延滞金が発生します。
納税期限の翌日から1ヶ月間は延滞金率が2.6%、その後は8.9%となり、自動車税の1日あたりの金額に乗じた額が加算される仕組みです。
延滞金を見過ごすと支払い額が大きくなり、最悪の場合払えない状況になります。
したがって、納付書が届いたら、業者に連絡するなど迅速に対応しましょう。
未納状態だと売却できないこともある
車を売却する際には、自動車税が未納の状態では売却が困難になることがあります。
特に、自動車税が滞納されていると、車の名義変更や抹消登録の手続きが制限されるため、売却時に影響を及ぼす可能性が高いです。そのため、売却の前には必ず自動車税の納付状況を確認し、未納の場合は、買取業者に必ず伝えましょう。
未納の状態で売却を進めようとすると、手続きが遅れるだけでなく、追加の費用が発生するリスクもあります。
円滑な売却のためには、納税状況の確認と清算を事前に行うことが望ましいです。
損をしないための売却ポイント
ここでは、損をしないための売却ポイントについて解説します。
これらのポイントを押さえて売却することで少しでも高い買取が期待できるでしょう。
下取りよりも買取を選択
ディーラーでの下取りではなく、専門の買取業者による買取を選択することで、高価格で売却が可能です。
下取りは、新車購入時の取引の一環として行われることが多く、実際の車の状態や市場価値に見合わない価格になる場合があります。
一方、専門の買取業者は車の状態や市場価値に基づき、専門的な査定を行うため、より公正で高い価格が期待できます。
損をしないためにも買取を選ぶと良いです。
相見積もりを取る
損をしないためにも相見積もりを取ると良いでしょう。
各買取業者を一店舗ずつ訪問して相見積もりを取る方法もありますが、時間と労力がかかり非効率です。
より効率的な方法としては、一括査定サービスを利用することをおすすめします。
一括査定サービスは、オンラインで必要な情報を一度入力するだけで、複数の買取業者から見積もりを受け取ることが可能です。
短時間で多くの業者の査定結果を比較し、最も高い価格を提示する業者を見つけることができます。
時間と労力を大幅に減らし、より高価格での売却を実現するための効果的な手段です。
車を清潔に保つ
車を売却する際、車を清潔に保つことも非常に重要です。車の外観や内部が清潔であることは、査定額に大きな影響を与えます。
汚れや傷は査定額を下げるため、売却前には徹底的な洗車や車内清掃を行うことが望ましいです。
また、車内のニオイも重要なのでできる限り消臭しておきましょう。
付属品や部品を揃える
車を売却する際、純正部品や整備記録簿などの付属品を揃えておくことで、査定額が高くなります。
整備記録簿は車のメンテナンス履歴を示し、きちんと整備されていたことをアピールが可能です。
また、純正部品は、新車購入時にしか装備できないため、査定額が上がりやすくなります。これらをアピールすることでm車の売却価格を最大限に高めることができるでしょう。
走行距離も目安にする
走行距離は車の査定額に大きく影響を与えます。
一般的に、1年に1万kmを目安とし、この目安を超えると査定額が下がる傾向です。
売却を検討している方は、車が多走行になる前に売却するとより高い価格での取引が期待できます。
車検前だと尚良し
車を売却する場合、車検前に行うことがおすすめです。
車検を通した後の車は、査定額が上がると思われがちですが、それほど上がらないことが多いです。
車検の法定費用や基本料など数万円から数十万円かかることがあります。
また、車検の手続きは手間がかかるものです。したがって、車検前に車を売却することで、損をせず効率的に売却を進めることができます。
まとめ
今回は、車を4月に売却した際の自動車税と軽自動車税の取り扱いについて解説しました。4月に車を売却すると税金に関する取り扱いが特に重要になります。
この記事を参考にして、税金に関するトラブルを避け、スムーズな車の売却を実現しましょう。