「走行距離が長い場合の買取価格はどうなるのか?」「走行距離はどのくらい査定に関係しているの?」など不安な方は多いでしょう。
走行距離が長い場合の買取価格は、走行距離が長ければ長いほど買取価格は低くなります。
走行距離は査定に大いに関係してきます。
走行距離が短いほど査定額が上がります。
走行距離が長いとそれだけ車の消耗品が劣化していきます。
エンジンもピストンやクランクシャフトなどの様々な部品が動き、部品間に摩擦損失が発生します。
走行距離が長い、すなわちエンジンがたくさん稼働してることになり走れば走るほどエンジンは消耗していくのです。
そのため、査定に走行距離は非常に重要なポイントとなります。
車買取時の総距離の重要性とは
◯走行距離とは?
走行距離はその名の通り車が走った距離です。
ですが車にはオドメーターとトリップメーターというものが存在します。
トリップメーターとはリセット可能な距離となっております。
例えばオイル交換直後にトリップメーターを0にして次回のオイル交換の目安などに使えます。
走行距離とはオドメーターの距離を表します。
オドメーターの距離はリセットできないため、購入した時からの距離になります。
すなわち車を0から走らせてきた距離が走行距離になります。
◯走行距離目安
車の走行距離は、車の乗り方や用途によって様々であり一概には言えませんが、一般的に1年間で10,000㎞程度が目安とされています。
この10,000㎞という数字は非常に便利であり、年式と走行距離の関係で車の走行距離が多いか少ないかを判断できます。
例えば、新車登録から5年が経過したジムニーで走行距離が50,000㎞だと中古車の平均数値となります。
新車登録が5年で走行距離が100,000㎞だと走行距離が多い中古車と言えます。
50,000km超え(多走行車)
比較的いい状態の車が多い印象です。
現行モデルの車は、耐久性が向上しているものが多く、メリットとしては50,000㎞を超えてくると中古価格が安くなります。
反対に50,000㎞を超えると買取価格が安くなってしまいます。
100,000km超え(過走行車)
走行距離が100,000kmを超えてくると立派な過走行車です。過走行車とは文字通り走行距離の長い車です。
過走行車は走行距離が長いため、車のさまざまな部分にダメージ、劣化など故障の原因が蓄積されています。
そのため車種などにもよりますが売却時の査定金額がかなり安くなってしまいます。
ですが、過走行車でも定期的にメンテナンスなどをしっかり行っていれば、劣化を防ぐことができます。
このように買取では、走行距離と年式のバランスが重要なポイントになります。
走行距離別の評価
◯10,000km以下
走行距離が10,000㎞以下だと、かなり高く買い取られ、中古車も高い金額で販売されています。
◯30,000km以下
走行距離が30,000㎞以下も、車両状態が良い車が多いため比較的高く買い取られ、中古車も高い金額で販売されています。
◯50,000km以下
走行距離が50,000㎞以下の中古車は車検のタイミングや、ローンの支払いなどの関係で、購入から5年ほどで売却されることが多いです。
さらに5年落ちくらいであれば、新車と価格を比べてもお手頃のため、走行距離が5万キロ未満の車は買い手が多くいます。
そのため中古車買取店も高く買い取ってくれる可能性が高いと言えます。
◯80,000km以下
走行距離が80,000km以下までいくといよいよ厳しくなっていきます。
「5年落ち、50,000㎞未満」の条件から外れていくと、どんどん価格が落ちていきます。
球数の少ない車ではないかぎり査定が厳しくなるのが現実です。
◯100,000km以下
100,000km以下までいくとレアな車ではないかぎり高額査定してもらうことが厳しくなってくるでしょう。
年式にもよりますが、年式も10年落ちで距離も10万㎞近く走っていると査定はかなり厳しくなると思います。
日頃からしっかりとメンテナンスをしているかも重要なポイントとなってきます。
走行距離が長い場合でも高く売却できるケース
◯商用車や本格オフロード車
基本的には10年落ちで100,000㎞以上の車は買取価格が低くなります。
ですが、「本格オフロード車や商用車などのタフな車」です。
代表的な車種として、20年以上前の車で今も人気がある「トヨタ ランドクルーザー」があります。
走行距離200,000㎞を超えている車体でも買取価格は高いです。
他には「スズキ ジムニー」です。
ジムニーも人気が高く、古い年式も人気があります。
このような本格四駆車は悪路走行を前提としたタフな作りであり、多走行や過年式でも高値で買い取りされることが多くあります。
その他、「トヨタ ハイエース」、「日産 キャラバン」などの貨客兼用商用車も同様にタフに作られており海外でも人気があるため、高額査定になりやすいです。
◯車の状態が良好
たとえ走行距離が多くても日頃からしっかりとしたメンテナンスを行ってる車や装備が充実していたり、塗装が綺麗であったり、傷などが少なかったりする場合はもちろん高く買い取ってくれる可能性もあります。
ですが、買取業者により評価が異なります。
自分の愛車を高く買い取ってくれる業者に出会うかが大事なポイントになります。
そのため、一括査定サイトを利用し複数の買取業者から所有している車の買取金額を把握しましょう。
◯限定販売などの希少車
現在の中古車相場は高騰しています。
理由はいくつかあります。
1つはコロナ禍の影響です。
新型コロナウイルス感染症によって、工場の稼働停止が発生し、自動車製造、部品作成が停止しました。
さらに半導体不足も加熱し、車種にもよりますが新車の納期が半年から1年以上待ちなどの事態となりました。
これにより購入者が、すぐに納車できる中古車に切り替えたため、中古車の需要が上がっています。
さらにアメリカでは右ハンドルの輸入が禁止されているのですが、初年度登録から25年経過した車であれば、右ハンドルでも輸入が認められているため、25年以上経過している日本車の輸出量が増えました。
現在旧車ブームもあり、走行距離を超えた人気がそこにはあります。
「トヨタ ランドクルーザー」や「スズキ ジムニー」「トヨタハイエース」も根強いファンが多く、走行距離が多くても査定額が高いのも特徴で、それだけ人気があるということです。
車を高く売るコツとは?
◯平均走行距離に余裕を持たせる
車の査定は10,000㎞/年の平均走行距離を基準にしています。
走行距離が100,000㎞を超えると査定が厳しくなります。
もちろん年式が新しい車ほど高く売れる傾向が強いです。
ただし年式が1年〜2年古いからといって買取額が大きく変わることはありません。
中古市場では5年落ちの車が多いです。
つまり5年落ちから価値が落ちる傾向にあります。
車の査定は本当に難しく、走行距離が短ければいいとは限りません。
年式と走行距離のバランスがとても大切です。
例えば、年式が新しいのに走行距離が多いものは減点対象になります。
年式が新しいのに走行距離が多いということは長距離運転をしているということになりエンジンにダメージなどが蓄積してる状態になります。
また、年式が古いのに走行距離が短い車も減点対象です。
長い間車を走らせていないとコンディションを悪化させるためです。
エンジンの潤滑オイルが流れ落ちてスムーズに動けない状態になり、タイヤも一点に荷重がかかってしまい変形してしまいますし、エンジン以外にもたくさん問題となる箇所が出てきます。
そのため、整備不良とみなされて査定が厳しくなってしまいます。10年落ちの車であれば走行距離60,000㎞~80,000㎞がベストかもしれません。
◯一括査定サイトを利用する
少しでも車を高く売りたいという方は、一括査定サイトが便利です。
複数の買取業者に一つひとつ査定してもらうのは手間や時間が掛かってしまいます。
そこで便利なのが一括査定サービスです。
一括査定とは、売却したい車の情報と個人情報を一度入力するだけで、提携している複数の買取業者に査定申込ができるサービスのことです。
自分で買取業者に連絡する必要はなく、複数業者の査定額を比較できてそこから1番高い価格で売ることができます。
車を売却する際の注意点
◯メーター改ざん車
査定額に大きく影響するのが車の走行距離ですが、一般的に走行距離が多くなると査定が厳しくなってしまいます。
では途中でメーターを交換すれば、走行距離が少なくなり高く査定してくれるのではと思う方もいるかもしれません。
以前はメーターの巻き戻しなどの悪質な改ざんをする業者もありましたが、最近の車はメーターがデジタルに変わってきてるためメーター改ざんができなくなってきています。
ですがメーターの交換は違法ではありません。
メーター交換であれば売却しても問題はありません。
ここで注意が必要なのは自分で交換したのか、ディーラーや車屋さんで交換してもらったかで変わります。
自分で交換して売る場合は、改ざん歴がある車という扱いになり、査定額は大幅に減額されてしまいます。
最悪のケースとしては、買取不可となってしまいます。
一方、ディーラーや車屋さんで交換してもらった場合は【自動車公正取引協議会】が発行した走行距離計交換歴シールが運転席側のセンターピラーに貼られます。
この走行距離計交換歴車シールにより、交換する前の走行距離が記載されてますので合算すると実際の走行距離がわかる仕組みになってます。
これにより査定に影響が出ないのです。
◯査定してから納車までの期間中の走行距離の増加
査定してから納車までの期間中の走行距離が増えた場合、買取額は変わります。
査定を受けてから次の車の納車まで数カ月かかることも珍しくありません。
その間査定してもらった車に乗り続けることになります。
そして納車までの期間が長い場合には、再査定をすることも多いです。
また、ディーラーによっては下取り車が欲しいために納車前でも下取り車の引き渡しを求めてくる場合もあります。
この場合は、納車までディーラーが用意してくれる代車に乗り続けることになります。
走行距離が増える心配もなく、査定額が変わる心配はありません。
ですが、代車の車種が選べないといったデメリットもあります。
走行距離以外に査定に影響するポイント
◯中古車市場での需要
人気車種になればなるほど、その車種を欲しいと思っている方が多いため、査定額が高くなります。
ちなみに最近では、「ホンダ N-BOX」、「トヨタ アルファード」、「トヨタ プリウス」、「日産 セレナ」、「スズキ ジムニー」などが人気を集めています。
◯事故歴・修復歴
事故歴とは事故や自然災害にあった履歴のことで、こちらに非がない場合であっても事故車とみなされます。
車を売る上で重要なのが修復歴です。
「修復歴の有無」は車の骨格(フレーム)部分を修復、交換した履歴がある車は「修復歴車」となります。
修復歴車は、この先何かしら不具合を起こす可能性があるため査定額に影響してしまいます。
事故歴のある車の買取についてはこちら
◯年式
年式は新しければ新しいほど査定額が高くなります。
10年落ちになると高額な査定は厳しくなっていきます。
そのため、車を高く売りたい場合は10年以内で売却することをお勧めします。
また、新車購入から13年が経過すると自動車税が増税されてしまいますので車の買い替えを少しでも考えてる方は10年以内での売却をおすすめします。
◯車の状態
大事になってくるのが車の状態です。
買取業者は細かく外装、内装をチェックしていきます。
外装はボディの傷や凹みがないか、事故跡はないかをチェックします。
内装は、車内の匂い、喫煙車か禁煙車か、ペットなどの毛など外装より大きな減点となります。
車の状態は査定前に洗車と内装の掃除をするのとしないとのでは査定金額に差が出るため、綺麗にしてから買取へ挑みましょう。。
◯ボディカラー
ボディカラーによっても査定額は変わります。
人気のあるボディカラーは査定額が高くなる傾向があり、反対に人気のないボディカラーは査定額が低くなる傾向があります。
人気のない色は買う方を選んでしまいますので買取業者にとって在庫になってしまうリスクが高くなるためです。
まとめ
走行距離は査定額に大きく影響します。
確実に高く買取を望むのであれば、走行距離100,000㎞以内で売却を進めることをおすすめします。
ですが、走行距離が短くても10年落ち以上になってくると査定額が低くなってしまいます。
とにかくバランスが大事です。
走行距離の平均は1年で8,000km~10,000kmです。
日頃のメンテナンスもしっかりと行い大事に乗ることがポイントとなります。