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故人の車を処分する方法とは?相続した車の廃車手続きについて解説

  • 2023年9月1日


ご家族が亡くなられて、生前使用していた車をどのように処分すればいいか悩まれていませんか?

車は土地や住宅と同様の資産であり、故人名義のものを譲渡や処分をするには複雑な手続きが必要です。
この記事では、車の相続と廃車手続きについて解説します。

早めに手続きを行うことによるメリットも紹介しますので、ぜひご一読ください。

車の所有者が亡くなったら相続の手続きを行いましょう

車は不動産や預金などと同様の相続財産です。
故人が所有していた車の価値や状態にかかわらず、誰が相続するかを決定して名義変更をしなければなりません。
車を処分することが決まっている場合でも、故人の名義のままでは譲渡・売却や廃車の手続きはできません。

車の相続手続き

車は所有者(車検証の「所有者」欄に氏名が記載されている者)が亡くなると、相続人全員の共有財産という扱いになります。
その車がどんな状態であっても、亡くなった方の名義のままにしておくことは好ましくありません。
ご家族のどなたかが引き継いで使用する場合には、新たな所有者となる方への相続手続きをし、車検証の名義変更をしなければなりません。

譲渡や売却、廃車手続きをする際にも、所有者が亡くなった方のままでは手続きができません。
相続人のどなたかが相続し、相続した方の名義に変更することで廃車手続きが可能となります。

相続に必要な書類

車の相続手続きをした後の名義変更の手続きは、運輸支局で行います。
必要書類は以下のとおりです。

  • ・戸籍謄本 
    故人(被相続人)と相続人全員の関係が証明できない場合は、追加書類が必要となります。
  • ・遺産分割協議書
    複数の相続人のうちの一人が相続する場合に必要です。相続人全員の署名と実印押印がなければ無効です。
  • ・相続人の印鑑登録証明書
  • ・相続人の実印
  • ・車検証
  • ・自動車保管場所証明書
    保管場所に変更がなければ不要な場合があります。
  • ・移転登録申請書(OCRシート第1号様式)
  • ・手数料納付書
  • ・自動車税申告書

所有者が故人である車の廃車手続きについて

車検証に記載の所有者が亡くなった場合、相続人に名義変更をした上で抹消登録を行います。
初めに前項で解説した方法で車の相続手続きを行い、運輸支局にて名義変更(移転)と抹消登録(一時抹消登録および永久抹消登録)を行います(移転抹消)。

故人の車を廃車にする手順

所有者が亡くなった車を廃車にするには、移転抹消登録を行います。
手続きとしては「移転登録申請書」と「一時抹消登録申請書」または「永久抹消登録申請書及び解体届出書」を同時に提出します。

一時抹消

一時抹消登録を行うには、前項の「相続に必要な書類」に一時抹消登録申請書(OCR第3号様式の2)を追加して手続きします。

車屋や解体の専門業者に依頼してナンバープレートを取り外し、その後上記必要書類とあわせて提出することで、一時抹消登録証明書が交付され、手続き完了となります。

また、この一時抹消登録証明書は、一時抹消登録の後に、やはりこの車に乗りたいということになった際の再登録手続きに必要となりますので、決して失くさないように大切に保険しておきましょう。

永久抹消

永久抹消登録を行う場合は、解体業者に依頼して車を解体後、ナンバープレートを受け取り、「移動報告番号」「解体報告記録がなされた日」を確認して控えてから運輸支局にて永久抹消登録の手続きを行います。

前項「相続に必要な書類」と併せて、

  • ・ナンバープレート(前後2枚)
  • ・「移動報告番号」「解体報告記録がなされた日」のメモ書き
  • ・永久抹消登録申請書及び解体届出書(OCR第3号様式の3)

を提出します。

その後、抹消登録証明書が交付されますので、それを受け取ることで手続き完了となります。

廃車抹消登録についてはこちら

故人の車の廃車手続きにおける必要書類

所有者が亡くなった場合の廃車手続きは相続の手続きと移転抹消登録であることはすでにご説明しました。
必要な書類についても前項でご紹介しましたので、相続関係の書類について補足説明をします。

戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍

被相続人と相続人全員の関係を証明できる必要があるため、婚姻や除籍により戸籍謄本のみで確認ができない場合は除籍謄本や改正原戸籍を用意することになります。

遺産分割協議書と遺産分割協議成立申立書

遺産分割協議書は、相続人のうちの一人が車を相続することについて、相続人全員が同意した事実をを証明するものであり、相続人全員の自署と実印の押印が必要です。

遺産分割協議成立申立書は、相続する車の査定額が100万円以下の場合に、遺産分割協議書の代わりに提出が認められている簡易的な書類です。
車の査定額を証明できるものを添付する必要がありますが、車の相続人のみで手続きができます。

軽自動車の場合

軽自動車は普通車と異なり、資産としては扱われないため相続の対象となりません。
故人の車を廃車にする場合には、軽自動車検査協会に以下の書類を提出し名義変更と廃車の手続きを行います。

一時使用中止(「自動車検査証返納届」といい、普通車の一時抹消に該当)の場合は、

  • ・車検証
  • ・新しい所有者の住民票
  • ・新しい所有者の印鑑(認め印)

を持参し名義変更をし、自動車検査証返納届を提出します。

解体返納(普通車の永久抹消に該当)の場合は、上記の提出物に車を解体した事実を証明する「使用済自動車引取証明書」を添え、ナンバープレートを返納します。

車検が切れている場合

廃車手続きを行う車が車検切れの場合であっても、手続きの仕方や必要書類は同じです。
廃車手続きの際には運輸支局に車を持ち込む必要はないため、車検が切れていても手続き上の問題はありません。

車検が切れていると公道を走行することはできませんので、永久抹消登録前に解体業者に車を引き渡す際は、次のうちいずれかの手段を取ることになります。

  • ・臨時運行許可(仮ナンバー)申請を行い自走する
  • ・積載車を手配する(レンタカー店で借りるか所有している車両販売店などに依頼)
  • ・解体業者に引き上げに来てもらう
  • ・廃車代行を利用する

仮ナンバーを取得して自走する場合には、併せて自賠責保険への加入が必要となります。
臨時の運行であっても、無保険での公道走行は認められません。
手続きの手間や費用の負担を考えると、出張買取や廃車代行を利用するほうが無駄がないと言えるでしょう。

車検切れの車の廃車についてはこちら

車の所有者が故人以外の場合

亡くなった方が生前使用していた車が、故人本人の名義でないケースがあります。

このような場合、所有者は故人ではないため相続は不要ですが、いずれにしても廃車手続きをそのまま行うことはできません。

車検証の「所有者」を確認しましょう

車検証には車の「所有者」「使用者」がそれぞれ記載されています。
それぞれ車の所有権を持っている者、主に車を使用する者の氏名または名称が記載されています。

ローンで車を購入した場合は、車検証の所有者の欄に信販会社や車両販売店の名称が記載されていることがあります。
親戚や知人から譲り受けた車を名義変更をせずに乗り続けていて、他人の名義のままという場合もあります。

ローンで車を購入した場合、支払いを終えるまでは車の所有権が留保された状態です。
ローンを完済すれば事実上は購入者の名義となると考えられていますが、車検証の記載は手続きをしない限り自動的に変わることはありません。

所有者が故人以外の場合

親戚や知人などから車を譲り受け、名義変更をしていなかったというケースもあるでしょう。
このような場合は速やかに下記の書類を揃えた上で、車検証やご自分の印鑑登録証明書を持って移転抹消の手続きを行いましょう。

  • ・譲渡証明書(旧所有者の実印を押印)
  • ・旧所有者の印鑑登録証明書
  • ・旧所有者の委任状

使用の本拠が変更になる場合には車庫証明、管轄地域が変わる場合にはナンバープレートも必要です。

ローンを完済し、所有権解除手続きを

ローンで購入した車の所有者が信販会社や販売店となっている場合には「所有権解除」という手続きを行うことで車検証の所有者をご自分(購入者)の名義に書き換えることができます。
ローンを完済し、信販会社や販売店から所有権解除と名義変更のために必要な書類を受け取れば、運輸支局での手続きが可能になります。

所有権解除後の運輸支局での廃車手続きは、名義変更と抹消登録を同時に行う移転抹消となります。

早期に廃車手続きを行うメリット

廃車(永久抹消登録)の手続きを行うと、税金や保険料の還付を受けることができます。
手続きが完了する時期によりますが、一般的には早く手続きを行うほど戻ってくる金額が大きくなるでしょう。

廃車の時期が早いほど税金や保険の還付金額が増える

永久抹消登録で還付を受けられるものは自動車税、自動車重量税、自賠責の保険料です。任意保険(自動車保険)を解約する場合は、解約返戻金が支払われます。

いずれも残存(未経過)期間分が月割りやその他の計算方法により支払われるため、手続きが遅れるほど受け取れる額が減ってしまいます。

自動車税

自動車税は毎年4月1日時点での所有者に支払いの義務があり、車を使用していないとしても免除されることはありません。

当年度の自動車税を納付した後に永久抹消登録をした場合は、手続きをした翌月から翌年3月までの自動車税が月割りで還付されます(3月に抹消登録をした場合、還付はありません。
また、地方税の滞納があると還付されない場合があります)。
還付を受けるために特別な手続きは必要ありません。
抹消登録後2か月ほどで送付される還付通知書に記載の方法で還付金を受け取ります。

自動車重量税

自動車重量税(以下、重量税と記す)は車検の際に車検証の有効期間分を一括で納付しています。
永久抹消登録の時点で車検証の有効期間が1か月以上残っている場合は、還付を受けることができます。

重量税の還付申請書は永久抹消登録の申請用紙(OCR第3号様式の3)と一体となっており、該当欄に記入すれば抹消登録と同時に申請可能です。
同申請書で還付金の受取銀行口座を指定でき、通常2〜3か月ほどで還付金が振り込まれます。

自賠責の保険料

自賠責(自動車損害賠償責任保険)の保険料は、重量税同様、車検の有効期間分を一括で支払っています。

解約手続きをした時点で保険証に記載の有効期間が1か月以上ある場合は返金を受けられます。手続きは契約している保険会社の窓口で行います。

任意保険の保険料

任意保険(自動車保険)の保険料を一括払いしている場合は、解約により返戻金を受け取れる可能性があります。

未経過期間が短く返戻金が支払われない場合や月払い契約をしている場合でも、補償の対象となっている車を廃車にした際には保険会社へ連絡しましょう。

解約はせずに同居のご家族が等級を引き継ぐこともできます。
また、解約すると等級が無効となってしまいますが、中断証明書を取得しておけば最大10年等級を保存でき、必要なときに中断時の等級で再契約が可能です。

廃車還付金についてはこちら

すぐに廃車にしない場合は一時抹消登録を行いましょう

現時点では車を引き継いで乗る方はないけれども廃車にするには忍びない、将来的に誰かが使用する可能性や売却する可能性があるという場合には、一時抹消登録をしておくとよいでしょう。

一時抹消登録を行うことで翌年度からの自動車税の請求を止め、当年度すでに納付した分については還付を受けられます(2月末までに手続きを完了し、かつ地方税の滞納がない場合)。

専門業者に依頼する方法も

相続の手続きについては第三者が行うことはできませんが、相続を終えた後の廃車手続きは専門業者に依頼することで時間と費用をかけずに行うことが可能です。

特に車の解体を伴う永久抹消登録は、買取業者や廃車代行業者に依頼することで費用がかからないだけでなく買い取ってもらえるケースもあります。

廃車代行についてはこちら

まとめ

車はその価値にかかわらず土地や家などと同じ資産として扱われるため、所有者が亡くなった際の手続きは複雑なものとなっています。

しかし、手順と要領が分かっていれば、初めての方でも自分で手続きが可能な内容であり、
必要な書類が揃えば、運輸支局に出向き指示に従って書類に記入をするだけです。

平日の日中に運輸支局に足を運ぶ時間のある方は、ご自身での手続きを検討されてみてはいかがでしょうか。

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2020年度東海エリアにおけるSUV販売台数5,000台以上の株式会社グッドスピードです。
国産・輸入SUVはもちろんミニバンやハイエース等の販売を行っていますので、
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■有資格

損保一般資格 基礎 / 損保一般資格 / 自動車 AIS検定3級 / 自動車検査員 2級 / 国家自動車整備士...



よくある質問

Q1.故人の車は他県ナンバーですが、廃車手続きはどの運輸支局でも可能ですか?

廃車手続きは原則的に管轄の運輸支局で行うこととされていますが、亡くなった方の車を廃車する際にはご自分の名義に変更してからの手続きとなるため、他県へ出向く必要はありません。

Q2.車の所有者が亡くなった場合、廃車以外に何か手続きは必要ですか?

廃車手続きと併せて、自動車保険の手続きも忘れず行いましょう。
名義変更してご家族が車に乗りつづける場合でも、自動車保険の契約者の変更手続きを行う必要があります。

この記事の監修者

CTN

CTN編集部

株式会社CTNは創業以来車事業に特化したプロとして、加盟店様を中心に新車卸事業・リース事業を展開しています。
中古車販売店様を15年以上ご支援させていただいたノウハウを基に、中古車買取においてCTNならではのお役立ち情報を配信しております。

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