車を売ろうと中古車販売サイトなどで自分と同じ車種を確認して、実際に査定してもらったら、意外と価格が安かった…なんて話を聞いたことがあるかもしれません。
もちろん、買取業者もビジネスなので、「安く買って高く売る」が基本です。
とはいえ、買取価格と販売価格の差額はなぜ生まれるのか?を知りたいところです。
今回は、買取価格と再販売価格に生まれる価格差について解説します。
買取価格と再販売価格の差とは?
結論からいえば、売却した車を再販売する方法によって価格差が発生することになります。
再販売で利益を得るためには、より高く売れるところで売る必要があります。
中古車の販売方法には、買取業者がオークションに出品するのか、それとも、買い取った業者がそのまま店頭で販売するのかというパターンがあり、その販売パターンによって、買取価格と再販価格の差は異なってきます。
また、ニーズが高い車や状態が良い車は再販時の価格を高くすることができるので、買取価格も高くなり、再販価格との差は少なくなります。
場合によっては、査定価格が再販売価格の9割ほどになる場合もあります。
なぜ、このような高値になるのかというと、中古車と新車との違いは保管方法にあります。
新車の場合、基本は受注生産になるので車を保管する必要はありません。
しかし、中古車の場合、保管が必要なのでスペースや洗車の手間などがかかります。
また、車は1度動かしてしまえば経年劣化してしまうので、定期的に動かしたり、整備しないと故障のリスクも高まります。
なので、買い取ってすぐ売れる可能性が高い車の方が買取価格も高くなり、再販価格との差は少なくなります。
買取価格と再販売価格になぜ差額が生まれるのか
買取価格と再販売価格の差額はどうやって生じるのかというと、大きな要因は店舗ごとの需要になります。
同じ車種でも、売る時期や店舗によって価格は当然、上下します。買取業者の利益やかかる費用について見てみましょう。
買取業者の利益
買取業者の利益は、販売方法によって異なります。
それぞれのケースを見てみましょう。
オークションへ出品した場合
一般的に、オークションへ出品する場合は、買取価格に対して10%〜20%上乗せされるケースが多いようです。
ただし、オークションの場合は同業が買い手となるので、あまり利益を上乗せすると買い手がつきません。
中古車買取業者は、店頭で直接販売しても買い手がつかず、在庫として持つことを避けるため、最初にオークションへ出品することがほとんどです。
オークションには、当然ですが車を欲しがっているユーザーがいて、そのユーザーのために仕入れをする業者がいるので、早く買い手が見つかります。
買取業者としては、早く売ることを重要視しているので、一般的な相場から大きく外れることはないようです。
ユーザーへ販売した場合
オークションで仕入れた車をユーザーに対して販売する場合、オークションでの購入価格に対して10%〜30%の利益を上乗せして販売することが多いそうです。
上乗せされた分には、単純な利益だけではなく、販売するまでの維持費や整備費用なども含まれます。
なので、早く販売できる車は上乗せされる金額は少なくなりますが、ニーズが多いのであれば多少多めに設定しても買い手が着くので、通常よりも高くなります。
よく、オークションで車を買った方が安いと言われるのは、この10%〜30%の利益が乗る前の状態で購入できるからです。
また、全国各地に販売網を持っている買取業者の場合も、オークションへ出品した場合と同じくらいの価格で販売することもあるようです。
買取業者への利益
まとめると、一般的な販売のオークション→販売店という流れの場合、20%〜50%が上乗せされて、再販売価格が設定される、ということになります。
ただし、これはあくまで一般的な相場価格なので、実際にはさらに利益を上乗せすることもあれば、もっと安く販売されていることもあります。
中古車が新車に比べると値引き交渉が難しいといわれるのは、実際の利益率は買い手にもわからないし、売り手も人件費など販売するまでの経費を踏まえて価格を設定していないため、値引きの基準が明確になっていないためだと言われています。
再販売までの整備費用
車を売るまでに一番かかる費用としては、整備費用です。
当然ですが、買い取った状態のまま再販売することはできません。
清掃したり故障していれば修理したりと、数万円〜数十万円の費用がかかることもあります。
買取価格が安いということは、その分、整備に費用がかかるということでもあります。
なので、買取価格が安い場合の方が、再販売のために手間暇がかかるので、価格差も大きくなる可能性が高いです。
中古車市場の相場は日々変動する
中古車というのは、販売時に良い状態のものが高く売れるというわけでもありません。
基本的には、市場の需要と供給のバランスによって、販売価格が設定されます。
例えば、市場に100台しかなくても、需要が10台分しかなければ、販売時の価格は安くなります。
一方で、市場に10000台あっても、需要が30000台あれば販売時の価格は高くなります。
人気の車が値崩れしにくいというのは、高く設定しても売れるからです。
なのでこの場合は、買取価格も高くなり、再販売時の価格差はそんなに大きくならないことが一般的です。
オークションへの出品費用など
オークションへ出品するとき、落札価格の全額が買取業者の利益になるわけではありません。
手数料や修理費用の上乗せなどが行われます。
つまり、車を買取ってもらったあと、再販売されるまでにはいろいろな手間暇がかかっているわけです。
そのため、基本的には買取価格は安かったとしても、再販売価格は高くなるというのは仕方がないことです。
買取価格が安くて、再販売価格が高くても、販売店の利益は実はそんなに無い可能性もあるのです。
買取価格が決まる基準とは
中古車の買取価格は、車種や年式、走行距離などによって決まる場合がほとんどです。
ある程度の基準が存在するので、ご紹介します。
オークションの落札価格
オークションでの落札価格を見ることができます。
時期や地域でどの車がいくらで販売されたのか?を調べることで、車種や年式だけではなく、地域差で買取価格を査定します。
ただし、車種によってはオークションに流通しない時期なども当然あるので、あくまでも参考価格としているところが多いようです。
レッドブック・イエローブック
実は、中古車の買取価格には相場があります。それが「レッドブック・イエローブック」と呼ばれる月刊誌です。
この中には、中古車の取引の目安となる価格情報が掲載されています。
メーカー、車種、年式、走行距離などから開くと、買取価格の相場が掲載されているので、この価格を基準として販売価格が決められることがほとんどです。
ただし、製造から10年が経過した車種は、一律で新車価格の1割と設定されているため、レッドブック・イエローブックへの掲載は無くなります。
ビンテージカーと呼ばれるような高級中古車はレッドブックやイエローブックの相場とは開きが出てきます。
古い車の買取についてはこちら
ユーザー人気
やはり、人気の車種は買取価格が高くなります。
例えば、ミニバンなどは年式が古かったとしてもそれなりに高い買取価格になりますし、根強い人気の車種は古かったり保存状態が悪かったりしても、買い手がつくので高くなったりします。
店舗ごとに車種の需要・得意分野が異なる
店舗によって、ユーザー層が違ったり、専門性や得意分野があれば、価格が変わってきます。
例えば、軽自動車専門の買取業者であれば、当然お客様も軽自動車を求めています。
買取業者からすれば、当然ですがニーズがあって売れる車であれば、多少高くても仕入れたいので、買取価格は高く設定できる場合もあります。
地域やシーズンによっても需要が異なる
意外と見逃してしまうのが、地域やシーズンです。
雪の降る地域では、寒冷地仕様車が売れますし、装備がついている車や4WD車の方がニーズがあります。
また、学生が免許を取得する卒業シーズンや、長期連休のシーズンなども、中古車のニーズが高くなる時期なので、価格が高くなる可能性もあります。
つまり、一概に「この車種」とか「このぐらいの状態」だから買取価格が高くなったり、安くなったりするのではなく、さまざまな理由から買取価格は決められます。
ただし、そうは言っても相場は決められているので、そこから大きく外れる、というケースは稀なケースです。
査定金額を少しでも高くするポイントとは
店舗や地域、時期などによって中古車の買取価格は複合的に決められます。
なので、コントロールできないことも当然多いのですが、一方で売り手個人ができることもたくさんあります。
できるだけ査定金額を高くするポイントを3つ、ご紹介します。
さまざまな販路を持つ買取業者へ買取してもらう
1つ目のポイントは、販路が多い買取業者を選ぶことです。
中古車買取業者の中には、全国に店舗を持っている買取業者も存在します。
その場合は、その場で全国の販売店に連絡を取り、売ろうとしている車のニーズがあるかどうか?を確認してくれます。
当然ですが、ニーズがあればその場で希望の買取価格に近づけてもらうことができますし、中間マージンが発生しないのでその分買取の査定を高くしてもらうことが可能です。
特定の専門分野を持つ買取業者へ買取してもらう
2つ目のポイントは、専門分野を持つ業者に買取を依頼することです。専門分野というのは、大きく分けて2つあります。
1つは、車両タイプの専門店です。軽自動車専門、SUV専門、外車専門店など、車種やメーカーを専門としているところは、ニーズを抱えているクライアントも豊富なので、販路を多く持っていることがあります。
もう1つは、車種の専門店です。これは、ビンテージカーに多いのですが、メーカーではなくさらに車種まで絞って販売している業者があります。
ここは熱烈な支持者が多いので、その分高価買取をしてくれるケースもあります。
一括査定サイトを利用する
複数の買取業者に、査定をしてもらうことも、買取価格を高くする上で重要なポイントです。
買取業者により得意・不得意があったり、タイミングなどもあるので、一社だけで決めるのはあまりおすすめしません。
ただ、1件1件連絡をするのは面倒なものです。
そこでおすすめが、中古車を査定してくれる一括査定サイトです。
車種の情報や走行距離を入力するだけで、いろいろな業者に情報が行き渡り、査定の連絡が入っていきます。
複数の業者に査定してもらうことで、改めて相場も把握できますし、先述したレッドブック・イエローブックを見せてもらえたりするので、少しでも高く査定してもらいたい場合は、ぜひ一括査定サイトを有効活用しましょう。
車を高く売却する方法についてはこちら