車をお持ちの方の中には、煩雑な手続きをせずに楽に車を売却したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「持ち込み買取」の詳細からメリットとデメリット、査定額を高めるためのポイントについて解説いたします。
持ち込み買取と下取り、出張買取の違い
持ち込み買取と下取りには、買取後の目的が明確なのかどうかという違いがあります。
新車も併せて購入するのであれば下取りを選択し、高価買取をとにかく実現したい場合は出張買取を選択するのがおすすめです。
持ち込み買取の特徴とプロセス
持ち込み買取は、車を買取業者に直接持ち込んで査定を受ける方法です。
持ち込み買取は、自分のタイミングで査定を受けられるというメリットがあります。
持ち込んだ後は実際に買取をした場合の見積り金額を出してもらいます。
そこから売買契約を結び、車の引き渡しが行われるというのが一連の流れです。
下取りとの比較
下取りでは新しい車を購入する際に、今まで乗っていた車をディーラーに引き渡します。
新車の購入を視野に入れた手続きとなっているため、手間がかからないという利点がありますが、買取に比べて買取価格が低くなる傾向があります。
しかし売却に必要な手続きは全て業者側が進めてくれるため、煩雑な手続きが苦手だという方にもおすすめです。
出張買取との比較
出張買取は、査定士が自宅や指定した場所まで足を運んで査定を行う方式です。
持ち込み査定と比べて時間や移動の手間が省けますが、事前の予約が必要なケースがあります。
また、自宅などプライベートな空間を査定士に開放する必要があるため、抵抗がある方は他の方法を選択してみましょう。
持ち込み買取のメリットとデメリット
ここでは、持ち込み査定のメリットとデメリットに関して、持ち込み査定の利点を把握しましょう。
持ち込み買取のメリット
持ち込み買取の最大のメリットは、自分の都合に合わせて査定が受けられるという自由度の高さです。
また、買取業者の店舗に車を直接持ち込むことで、車の状態を実際に見てもらい、その場で詳しい説明を受けられる点も大きな利点と言えるでしょう。
さらに、直接買取業者と交渉することで、より良い条件を引き出すことも可能です。
持ち込み買取のデメリット
持ち込み買取で挙げられるデメリットとしては、店舗の混雑状況によっては長時間待たされる場合もあるということが挙げられます。
特に、土日や祝日は人の出入りも多いため、後日に改めて仕切りなおす可能性もあります。
それに加え、自身の車を買取業者に渡してしまうため、帰りは車以外での帰宅手段を選択する必要があるという点もデメリットの一つです。
また、持ち込み査定の場合、複数の業者から見積書を取りにくいため、複数の業者から見積もりを受けたい場合は後日に別の買取業者に出向く必要があり、他の買取方法と比較しても時間的コストがかかってしまいます。
メリット・デメリットを把握した上での選択の重要性
持ち込み査定の場合、複数の業者から見積書を受け取りたい場合ほど売買契約までにかかる時間が増加します。
また、他の売却方法に比べても車の引き渡しに時間がかかるため、自分自身が今車に乗ることをどれだけ必要としているのか、車を持たない期間があってもいいのかなどを、売却の前によく考えておきましょう。
時間をかけてでも高く売却したい方は持ち込み査定が、少しでも早く売却したい方は中古車一括査定などを利用するのがおすすめです。
持ち込み買取で注意するべきポイント
持ち込む前に自車の相場価格を調べ、適切な価格を把握しておくようにしましょう。
複数の業者から見積もりを取ることで、自車の相場を理解し、適正な価格を引き出すことができます。
査定店の選び方と持ち込み前の準備
持ち込み査定を行っているのは、主にディーラーと買取業者の2種類です。
ディーラーには安心して買取手続きを進められるメリットがあるため、査定額よりも安心・安全に取引を進めたい方はディーラーの下での持ち込み査定を選択してみましょう。
一方、買取価格に重点を置いている方は買取業者を選ぶのがおすすめです。
買取そのものを中心業務にしているため、ディーラーよりも高い買取価格の提示が可能となっています。
また、持ち込みの前には以下の点を確認しておきましょう。
- ・車両名義は本人なのか
- ・ローンの残債があるのか
- ・任意保険の手続き
- ・メンテナンスノートの場所
上記の確認事項はどこで売却をしても必要になりますが、他に必要な書類などがある場合も多いため、担当の業者に何が必要なのか直接確認しておくようにしましょう。
交渉時のポイント
隠していた問題が後から発覚すると、信用を失うだけでなく、査定額が大幅に下がることもあります。
最悪の場合、瑕疵担保責任を負ってしまう場合もあるため、買取査定の際に虚偽の報告をしないように気を付けましょう。
車を高く売るためには車の良い点を強調し、その価値を買取業者に伝えることが重要です。
メンテナンスノートなどがあると客観的な証明にもつながるため、事前に用意しておきましょう。
下調べで調査した金額や相場価格を相手に伝えることも買取金額を落とさない上で重要です。
契約と手続きについての注意点
持ち込み買取では、店舗によっては熱心な販売員から強いプレッシャーを感じることがあるかもしれません。
そういった場合でも流されることなく、自分自身で検討をして売買契約を結ぶのか判断するように気を付けてください。
納得できない部分がある場合は、その部分を明確に伝え、即決はできないとハッキリ伝えましょう。
また、売買契約書に「契約後の減額」や「キャンセル料を請求する」といった内容が記載されている時は、売買契約を結ぶ前に複数社からの見積書を貰い、比較検討するのがおすすめです。
最低でも2〜3社を比較し、その中で一番対応が誠実で買取価格も妥当な金額を提示している買取業者を選びましょう。
予約なしの持ち込み買取の可否とその理由
予約なしで持ち込み買取を利用する際にはいくつか注意点があります。
一つ目は、混雑具合によっては長い待ち時間が発生する可能性があることです。
特に週末や休日は混雑している場合が多く、待機時間が長くなってしまう可能性があります。
二つ目は、担当者が十分な時間を確保できない場合、査定が適切に行われない可能性があることです。
そのため、予約を取ってから査定を受けるようにしましょう。
予約をすることで確実に査定を受けられるだけでなく、担当者が十分に時間を確保しやすくなるため、精密な査定を受けられるようになります。
予約なしでの持ち込み買取が可能な場合
大手の店舗であれば、基本的に予約なしでの飛び込み査定を依頼しても対応可能な場合が大半です。
しかし、大手ではなかったり、個人経営のお店だったりすると査定人が在籍していないという時間帯も存在します。
大手の買取業者であれば店舗に出向く時間帯はいつでも問題ありませんが、個人経営の店舗に出向く場合は、あらかじめ電話などして査定員の在籍を確認しておくようにしましょう。
予約が必要な場合とその理由
前述のとおり、大手車買取業者の店舗であれば予約なしでも査定をしてもらえるところが多々ありますが、個人経営しているお店や少人数でお店を回している買取店では、査定士が店にいない場合もあります。
土日や祝日、繁忙期は特に買取希望の方が大勢いるため、繁忙期に買取を依頼する場合は予約が必要となるでしょう。
特別急いでいるなどの用事がなければ、基本的には事前に予約をしておくことをおすすめします。
予約の有無による影響
予約をしてからの方が効率的に査定を進めることができます。
予約なしでの持ち込み査定は想定した通りに進まないため、予約をしていない状態だと1日に何件も回れない可能性が高いでしょう。
効率的に店舗を回りたい場合は、事前に予約しておくことをおすすめします。
また、円滑に持ち込み査定を行うためにも、事前に必要となる車検証や自賠責保険証、自動車税納税証明書などの書類を用意しておきましょう。
持ち込み買取成功のコツ
持ち込み買取の成功には、事前準備と交渉術がカギを握ります。
それでは、持ち込み買取を成功させるための事前準備と交渉術の具体的な内容について解説いたします。
正確な情報収集
持ち込み買取を成功させるためには正確な情報収集が欠かせないため、買取相場を把握した上で契約を進めるようにしましょう。
相場を把握していれば、買取業者側が提示した金額が相場よりも高いか低いか判断できるようになります。
価格交渉においても基準値の設定ができるため、交渉も有利に進めやすいでしょう。
インターネット上で、車種やメーカー、色や年式、走行距離などの条件を入力すれば価格相場を把握することができます。
適切な査定準備
実際に査定をしてもらう前に、自身の所有する車のセールスポイントをまとめておきましょう。
自分の車の良い部分はメモしておき、価格交渉の場で言いたいことが伝えきれるようにしておくのがおすすめです。
点検整備記録や純正部品の有無も買取価格に大きな変動を及ぼすため、できる限り用意しておくようにしましょう。
また、査定員の車の第一印象を悪くしないためにも車内清掃と洗車を行っておくこともおすすめです。
交渉時の態度と方法
交渉においては、誠実な対応を心がけた物腰の柔らかい態度が望ましいです。
また、自身が想定している買取希望金額よりも、高値が付けられる可能性もあるでしょう。
そういったことも考慮し、最初の段階では明確な買取希望金額を伝えず、買取業者側から最初に他社の買取金額を聞かれても、軽くいなせるのであればいなしておくのがおすすめです。
最初は金額面のことについて相談するよりも、売却する気があることを相手に伝えれば買取業者側も買取価格を決めやすくなるでしょう。
売却後の具体的な流れなども交渉の中で伝えると業者側に売却の意思が本当にあることが伝わります。
車のメンテナンス記録は用意しておくべき?
持ち込みで買取を行う際、車のメンテナンス記録(メンテナンスノート)は入手するべきかを解説します。
車のメンテナンス記録とは
メンテナンス記録とは、メーカーの保証書と点検整備記録簿を併せた総称であり、主に法定点検や任意の点検を受けた時の内容を記録するノートを指します。
エンジンオイルやブレーキパッドなどの消耗品の交換、車のコンディション・メンテナンス状況を確認することができるため、査定士はこのメンテナンスノートを基に査定を行います。
メンテナンスノートからの個人情報流出を懸念される方もいますが、個人情報保護法によってメンテナンスノートは車体番号で管理されるようになってます。
そのため、次の買い手にその情報が伝わることはありません。
メンテナンスノートのメリット
メンテナンスノートが用意できていることは「きちんと整備されている車両」であることの証明になるため、査定金額が上昇する可能性が高くなります。
反対に、メンテナンスノートがないだけで数万円の減額になってしまう場合もあるため、できる限り用意するようにしましょう。
また、修復歴などがあってもメンテナンスノートを用意できていれば、見逃してしまう事も防げるため、売買契約成立後の減額リスクなども抑えられます。
メンテナンスノートのデメリット
メンテナンスノートがなければ、査定士からは「整備されていない車」と判断され、査定額は低下する可能性が上がってしまうでしょう。
定期点検整備記録簿の他にも、保証書や取扱説明書を紛失した場合も査定額がマイナスに動いてしまう場合があります。
メンテナンスノートのコピーは存在するものの、原本は無くしてしまったという場合も減点対象となります。
メンテナンスノートの汚損や破損も同様です。
そういったメンテナンスノートの管理に気をつけなければならない点はデメリットと言えるでしょう。