車の乗り換えに必要な手続きとは?費用を抑える方法や個人間売買についても解説
車を乗り換える際の手続きは、少し複雑です。
購入・売却ともに業者に依頼する場合は指示どおりに準備をすれば問題ありませんが、手続き中に聞き慣れない言葉を耳にすることも多いでしょう。
そこで今回は、車を乗り換える際に必要な手続きや書類とそれぞれの意味、購入時の諸費用を抑える方法、車を個人間で売買する際の注意点もご説明しますので、ぜひご一読ください。
車を購入する際の手続き
車を乗り換える際には、新しい車の購入、現在所有している車の売却のほかにも、自動車保険の手続きが必要です。
これらの手続きがいつ行われるのか、必要な書類についても解説します。
新たに購入する車の決定
車の購入を検討する際には、どのような目的で車を所有するのか、車種やグレードの選定、予算はどれくらいか、居住地域や、家族構成などさまざまなことを考える必要があります。
多くの方は快適で安心して乗れる車を探されていることでしょう。
車購入のための出費は決して安いものではなく、購入した車が期待していたものと違っても簡単に買い替えられるものではありません。
車を選ぶ際に優先される事項は人それぞれですが、優先的にチェックすべき項目を挙げておきます。
- ・主な用途は何か
- ・予算はどれくらいか
- ・新車か、中古車か
- ・メーカーと車種を絞る
- ・運転や乗り降りのしやすさは問題ないか
- ・装備やグレードをどうするか
車乗り換え時の手続き
車を乗り換える際には、下記のように数々の手続きがあり、それぞれの手続きにおいても必要な書類を準備しなければなりません。
- ・新しい車の購入
- ・現在乗っている車の売却
- ・保険会社への連絡と手続き
必要書類等の準備
車の購入・売却の際には国や地方自治体により定められた手続きが必要となります。
車の売買の際には、車検証の名義を変更したり、車検が切れている場合は整備をして検査を受けたりといった手続きが必要であり、そのためにさまざまな書類を準備しなければなりません。
必要な書類は以下のとおりです。
普通車と軽自動車それぞれについて、準備すべきものを挙げておきます。
【普通車】
- ・車検証
- ・自賠責保険証
- ・車庫証明書
- ・印鑑証明書
- ・実印
- ・委任状
【軽自動車】
- ・車検証
- ・自賠責保険証
- ・車庫証明書(自治体により不要な場合もあります)
- ・住民票
- ・印鑑(認印で構いません)
- ・委任状
書類の不備や記載ミスなどがあると手続きが滞る恐れがあります。
分からないことや不安なことは、車両販売店・役所・警察署などで適宜確認しましょう。
任意保険の手続きも忘れずに
自賠責保険とは違い、任意保険(自動車保険)の契約内容や補償については、車の所有者が管理しなければなりません。
任意保険の契約の際には、契約者の情報と併せて車種・型式・ナンバー・車体番号といった車両を特定できる情報も登録されています。
補償の対象となる車が変わる場合には、納車の日までに「車両入替」という手続きをする必要があります。
電話やインターネット上で手続き可能な場合もありますが、書類の提出や保険料の差額の支払いが必要となり、それらを完了しないと補償が開始されないケースもあります。
車を乗り換えることが決まったら、保険代理店やコールセンターに連絡をして手続きの流れと必要なものを確認しましょう。
車の購入に必要な書類
ディーラーや中古車販売店で車を購入する場合には、指示されたとおりに書類を準備して提出すれば手続きが完了しますが、販売店任せにしていることにより、知らないうちに手数料や代行費用を請求されている場合もあります。
そのため、何のためにその書類が必要とされているのか、何の費用を要求されているのかといったことを把握しておくことが大切です。
車を購入するために必要な書類
先に紹介した必要書類について、詳細をご説明します。
車検証
車検証は、車が公道を安全に運行するための保安基準を満たしていることを証明するものとして「自動車検査登録制度」により定められた検査に合格した車の所有者に交付されます。
車両の情報と併せて所有者の情報も記載されており、所有権を証明する公文書です。
自賠責保険証
自賠責保険とは、車の所有者が必ず加入しなければならない強制保険です。
車検証交付の際には、自賠責保険に加入し保険料を納付した証明として保険証の提示を求められます。
車検証の有効期間に合わせて加入期間を設定し、車検のタイミングごとに手続きをするのが一般的です。
車庫証明書
購入した車を保管する場所を確保していることを証明するのが車庫証明です。
車を購入するたびに申請が必要となります。
車の使用の本拠(自宅や事業所)から2キロメートル以内の場所に保管場所を確保し、管轄の警察署に申請をして認められた場合に車庫証明書が発行されます。
1つのスペースで複数台分の車庫証明を申請したり、車庫の大きさに対し明らかに車が大きい場合などは認められないことがあります。
印鑑証明書
車(軽自動車以外)は、個人または法人の資産として国の機関で登録・管理されています。
契約書に押されている実印が本人のものと相違ないことを証明すると同時に、車の所有者となる人物の氏名・生年月日・住所を証明するのが印鑑証明です。
住民票
軽自動車は資産としての登録ではなく、市区町村単位で所有者を管理するシステムをとっているため、印鑑証明は必要ありません。
契約の際の実印も不要です。
諸費用や手数料を節約する方法
同じ車を買うのなら、少しでもお得に購入したい、出費を抑えたいと考える方は多いでしょう。
しかし、販売店での値引き交渉にも限界があります。
そこで注目すべきは諸費用と手数料です。
車の見積書を見ると、車両本体価格のほかに、かなり大きな額の諸費用・手数料といった記載があることに気がつくでしょう。
車は購入に際してさまざまな手続きが必要であり、登録や申請の際には時間と費用がその都度かかります。
国や地方自治体への登録・申請にまつわる費用は全国どの販売店で車を購入しても金額は同じであり、これらを値引きすることはできません。
しかし、登録や申請の「手数料」「代行費用」といったものについては交渉次第です。
「手数料」や「代行費用」は、手間や時間がかかる申請や手続きを、販売店が購入者に代わって行うことに対する報酬です。
車検に関してはプロに任せるのが安心ですが、車庫証明の申請を自分で行ったり自宅に納車してもらわず販売店に出向いたりすることにより、数千円から数万円程度を節約できる可能性があります。
現在乗っている車はどうする?売却と下取り
車をお得に乗り換えるためには、新しい車を安く買うだけでなく、今乗っている車をどれだけ高値で売却できるかも重要です。
購入店で下取りしてもらう
新しい車を購入する店舗で下取りをしてもらうのは一つの方法です。
購入と売却を同じ店舗で行えば、手続きが非常にスムーズなだけではなく、値引き交渉をした際に下取りの査定額をアップして対応してくれる場合もあります。
一般的に、下取りより買取の方が査定額が高くなると言われていますが、車を購入する店舗と売却する店舗が異なっていると、かなり手間が増えることになります。
取引のスムーズさを優先する方にとっては、査定額が多少低くても、購入店舗で下取りをしてもらうメリットは大きいと言えるでしょう。
買取を依頼する
買取を依頼するのであれば、複数の買取業者で相見積もりを取り、査定額が高い業者に売却するのがおすすめです。
下取りに比べて手間と時間がかかりますが、3〜4社程度の買取業者に査定を依頼し、競争させることで買取価格が上がることが期待できます。
査定を依頼する業者は少なくても多すぎても良い結果は得られません。
1社だけに査定を依頼し、こだわりがないような素振りを見せると「売却を急いでいる」「知識がなさそうな客だ」と思われ、相場よりも低い査定額を提示される恐れがあります。
依頼する件数が多いほど高値で売却できる可能性は大きくなりますが、査定を行う買取業者の相手は自分で対応する必要があるため、それだけ負担が増えることになります。
車買取時の相見積もりについてはこちら
買取と下取りの違いについてはこちら
個人間での売却
自分が納得できる価格で売却するには、個人間で売買するのも一つの方法です。
市場に出回っているものは、どんな商品でも仕入れ価格と販売価格には大きな差があり、車も例外ではありません。
個人間であれば、車を本体価格のみで売買できる上に中間マージンがないため、売る側・買う側ともに納得できる価格で取引できる可能性が高いと言えるでしょう。
個人間で車を売買する際の注意点
個人間で車を売買する場合、金額的なメリットがある一方で、煩雑な手続きを自分たちで行わなければならないというデメリットもあります。
さらに、車の売買ともなれば少なくとも数十万円以上のお金のやりとりが発生するケースが多く、無用なトラブルを防ぐためにも対策を講じておくことが重要です。
売買に必要なもの
車の売買に必要なものは、販売店を通しても個人間の場合でも同じですが、基本的に全ての手続きを自分で行うことになるため「委任状」については不要になるケースがあるかもしれません。
手続きの流れ
販売店を介さずに車の売買を行う場合でも、基本的な流れは同じです。
- ・車の状態と価格を確認する
- ・双方が納得すれば、売買契約書を作成し契約を締結する
- ・車を引き渡し、代金を受け取る
- ・名義変更をする
- ・任意保険の手続きをする
車の状態確認については、双方立会いの下で行うのが理想的です。
双方立会いのもとの確認が難しい場合は、動画や写真、テレビ電話などを利用して細かい部分まで確認し合いましょう。
契約書の作成は、トラブルを予防するためにも重要です。
車両の情報についても契約書に記載しましょう。
特にボディの傷の有無や過去の故障歴などについては詳細に記載し「納得した上で契約した」という事実が分かる形で明記しておくことが重要です。
トラブルを防ぐために
個人間での売買はメリットが大きい分、リスクを伴います。
販売店で購入する場合は中古車であっても保証期間が設けられていたり、聞いていた情報と著しく異なる状態が発覚すればクレームを入れたりすることも可能ですが、個人間では同じようには行きません。
最近ではオークションサイトなどを利用して遠方の見ず知らずの方と取引を行う例もあるようですが、取引途中で音信不通になったり、代金が支払われなかったり、情報共有がうまくできずトラブルが起きたりという事例も少なくないようです。
たとえ友人・知人間の取引であっても、大きなお金が動く取引には注意が必要です。
手数料など費用は発生しますが、安心して取引するためには個人間売買を仲介する業者の利用を検討してもよいでしょう。
中古車買取のトラブルについてはこちら
車買取時の注意点についてはこちら
諸費用と手数料を抑えて、車の乗り換えをさらにお得に
車を購入する際には本体価格のほかにさまざまな費用が発生しています。
では、車両本体価格以外の諸費用などはどう抑えれえばいいのでしょうか。
「乗り出し価格」の内容について
「乗り出し価格」とは、車両本体価格・法定費用・代行費用の合計金額のことです。
本体価格が安くても、乗り出し価格が高ければトータルでの出費は大きくなりますので、中古車を選ぶ際は「総額でいくらかかるのか」に注目しましょう。
・車両本体価格
車の価格です。
年式や走行距離、車の状態により定められる金額です。
・法定費用
自動車税や自動車重量税、自賠責保険料、リサイクル預託金、消費税などが含まれています。
リサイクル預託金とは、その車を最終的に廃車(解体)する際に必要な費用を前払いするものです。
また法定費用に関しては、全国どこの販売店で車を購入しても、車の購入者が必ず負担しなければならない費用となっています。
「代行費用」と「手数料」
「代行費用」と「手数料」は、本来は購入者が行うべき申請や手続きを販売店のスタッフや整備士に依頼することで発生する費用です。
これらの金額は販売店によって価格設定に差があります。
販売店の中には、本体価格を安く設定して手数料で利益を出すという仕組みになっている業者もあります。
これら「代行費用」「手数料」の中には、購入者が申請や手続きを自分で行うことで費用の負担をなくすことができるものもあります。
「クリーニング費用」や「納車手数料」は金額も大きく、自分で行うことで数万円単位の節約になる可能性があります。
洗車や室内清掃を自分で行うか納車後に安い業者に依頼すれば「クリーニング費用」は不要になるでしょう。
「納車手数料」は距離により費用が変動しますが、下取りを依頼している場合などは「引き上げ」と「納車」の手数料が別々に請求されることもあります。
申し出がすべて受け入れられるとは限りませんが、見積書を確認し、節約できそうな項目があれば販売店に相談をすることは費用負担を減らすための有効な手段と言えるでしょう。